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2024.10.02

アレック・ソスの写真展から、岡山が舞台の新たな芸術祭まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年10月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / Nao Sakamoto

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は現在最も人気の高いアメリカの写真家の一人、アレック・ソスの写真展がスタート。秋の行楽シーズンに観光と合わせて訪れたい、岡山で開幕する新たな芸術祭の情報も。

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フローリスト・越智康貴さんもアレック・ソスのファン。自宅にはソスの写真が

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「花やアートを暮らしに取り入れていくと、『感じが違う』自分に変わっていく」フローリスト・越智康貴 / 連載「わたしが手にしたはじめてのアート」Vol.26

  • #越智康貴 #連載

「アレック・ソス 部屋についての部屋」(東京都写真美術館・東京)

アレック・ソス《Anna, Kentfield, California》 〈I Know How Furiously Your Heart is Beating〉より 2017年 東京都写真美術館蔵 ⓒAlec Soth

アメリカの現代写真を牽引するアレック・ソス。国際的な写真家集団、マグナム・フォトの正会員であり、生まれ育ったミネソタ州ミネアポリスを拠点に活動を続けています。風景や人々を捉えたソスの写真は、詩的な物語を紡ぎだすような作品として世界的に高い評価を受けてきました。本展は初期を代表する〈Sleeping by the Mississippi〉から、今秋刊行予定の最新作〈Advice for Young Artists〉までを紹介。30年に及ぶソスの歩みを単に振り返るのではなく、選ばれた出品作品のほぼすべてが屋内で撮影されているように、「部屋」をテーマにこれまでのソスの作品を編み直す、独自の試みとなります。

 

アレック・ソス《Still LifeⅡ》〈Advice for Young Artists〉より 2024年 作家蔵 ⓒAlec Soth

会期:2024年10月10日(木)〜2025年1月19日(日)
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

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グッチ日本上陸60周年記念展GUCCI COSMOS」(京都市京セラ美術館・京都)

©Courtesy of Gucci

日本上陸60周年の節目である今年、日本とのつながりを深めるためにさまざまなプロジェクトやイベントを展開してきた「グッチ(GUCCI)」が、その集大成としてブランドの歴史と現代への系譜を紐解く大規模な世界巡回展を開催。タイトルの通りグッチの宇宙を体現する同展は、グッチの革新の歴史とクリエイティビティの伝統を、時の螺旋をさかのぼるようなイマーシブな展示によって紹介します。上海とロンドンでの開催に続く本展では、日本および京都の独自の視点を織り込み、京都市京セラ美術館の所蔵品もグッチのアーカイブとともに展示。フィレンツェにあるアーカイブ収蔵庫の扉を開き、グッチの歴史を彩ってきたアイコニックなデザインやアイテムがどのように進化してきたかを探求してみては。

©Courtesy of Gucci

会期:2024年10月1日(火)〜12月1日(日)
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階、新館 東山キューブ
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 124
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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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ルイーズ・ブルジョワの大規模回顧展から、長野と兵庫の芸術祭まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年9月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展(川崎市岡本太郎美術館・神奈川)

淺井裕介《星、飛ビ散ル》2024年 制作の様子(金津創作の森美術館)

川崎市市制100周年、開館25周年を記念して、淺井裕介と福⽥美蘭岡本太郎と関連づけた⾃作を展⽰する展覧会。淺井は⼟、⽔などの⾝近な素材によって、あらゆる⽣物の根源を想起させるような神話的世界を描く作家。展覧会が開催される各地で採取した⼟を絵具にし、⼟地に根ざした作品を⼿掛けることでも知られています。今回は川崎市内で採取した⼟を絵具にして巨⼤な新作を制作。福⽥は、綿密なリサーチとウィットに富んだ視点で、芸術や⽂化、現代社会への批評的まなざしを可視化する作家。今回は新作を展⽰するほか、岡本太郎の作品によるインスタレーションを展開。また常設展⽰室では、2⼈がそれぞれ独⾃の視点で選んだ館収蔵の岡本作品を紹介します。

福田美蘭《夜》2024年 作家蔵

会期:2024年10月12日(土)〜2025年1月13日(月・祝)
会場:川崎市岡本太郎美術館
住所:神奈川県川崎市多摩区枡形7丁目1−5 生田緑地内
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「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」(国立新美術館・東京)

荒川医《ネメシス・ペインティング(猫なで声のパフォーマンス!)》2022年、デビッド・ズワーナー、ニューヨーク Ei Arakawa, “NEMESIS PAINTING (PURR … formance!)”, 2022, David Zwirner, New York Photo: Santiago Felipe Courtesy of the artist and David Zwirner, New York

2000年代から国際展や美術館でパフォーマンス・アートを発表してきたアメリカ在住のアーティスト、荒川ナッシュ医のアジア地域においては初めてとなる美術館での個展。「Paintings Are Popstars」をタイトルとし、一作家の個展でありながら、荒川ナッシュに協力する20数名の画家による絵画が会場内に登場。それぞれの絵画を存在感のあるポップスターと見做し、荒川ナッシュはその絵画のアティテュード(姿勢)から発案された協働パフォーマンスを発表します。子ども、絵画、歴史、音楽、身体、会話、そしてユーモアがアンバランスに作用しあう構成となっており、荒川とその協働者によるライブ・パフォーマンスも定期的に開催される予定。

荒川医《メガどうぞご自由にお描きください》2021年、テート・モダン、ロンドン Ei Arakawa, ”Mega Please Draw Freely”, 2021, Tate Modern, London Photo: Rikard Österlund Courtesy of the artist and Tate Modern, London

会期:2024年10月30日(水)〜 12月16日(月)
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
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T2 Collection「Collecting? Connecting?」展(WHAT MUSEUM・東京)

宮島 達男「Painting of Change - 003」 宮島 達男 Painting of Change - 003 2020 180 x 128.4 x 3 cm キャンバスに油彩 撮影:表恒匡 協力:SCAI THE BATHHOUSE

T2 Collectionは、株式会社ブレインパッドの共同創業者であり、ビッグデータ・AI領域で活躍する高橋隆史が、約6年前から収集してきた現代アートのコレクション。本展では最初に購入したベルナール・フリズの作品をはじめ、宮島達男、名和晃平、和田礼治郎など、近年惹かれているコンセプチュアルな作品を中心に約35点を紹介します。コンセプトやビジョンを世界に問う点において、作家と起業家の共通する側面を見出し、コレクションを始めた高橋。特に作家が新たな挑戦として制作した作品や、若手作家による作品のコレクションに力を入れています。作品が発するメッセージを鑑賞者自身の視点で捉えながら、自身の考え方や価値観と結びつける機会となる展示です。

和田礼治郎「STILL LIFE」 和田 礼治郎 STILL LIFE 2024 200 x 150 x 30 cm 果実、強化ガラス、真鍮、ブロンズ 撮影:表恒匡 協力:SCAI THE BATHHOUSE

会期:2024年10月4日(金)〜2025年3月16日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1階 SPACE1 / 2階
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
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「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(津山・津山城周辺ほか・岡山)

レアンドロ・エルリッヒ《The Nature Above》(イメージドローイング ) 2024

国内外から音楽家、ダンサー、建築家、デザイナー、華道家、料理シェフなど幅広いジャンルのアーティストを迎え、新作の展示や場所に合わせたユニークなプロジェクトが展開される新たな国際芸術祭が開幕します。アートディレクターは、金沢21世紀美術館館長、キュレーター兼美術評論家である長谷川祐子。参加アーティストはタレク・アトゥイ、レアンドロ・エルリッヒ、川内倫子、妹島和世など12ヵ国42組43名が参加。会場となるのは岡山県北部の、津山・津山城周辺、津山・グリーンヒルズ津山、奈義・奈義町現代美術館周辺、新見・満奇洞、真庭・蒜山、鏡野・奥津の6エリア。アート作品を巡りながら、緑豊かで雄大な自然や街並みなども満喫できそうです。

森山未來 横仙歌舞伎稽古風景 2023

会期:2024年9月28(土)〜11月24日(日)
会場:岡山県北部の12市町村(うちアート作品設置は5市町)
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「Art Collaboration Kyoto」(国立京都国際会館・京都)

Maria Nepomuceno, Untitled, 2024 ©Maria Nepomuceno Courtesy of nca | nichido contemporary art 参考図版

京都を舞台に「コラボレーション」をコンセプトとした現代美術の国際的アートフェアが3日間開催。世界屈指の⽼舗ギャラリーから新進気鋭のギャラリーまで、世界トップクラスの69ギャラリーが出展する 「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」という特徴ある形式でおこなうブース展⽰に加えて、 毎年異なるテーマに沿って展開するACK主催プログラム「ACK Curates」では、企画展「パブリックプログラム」や、トーク、キッズプログラムを実施。また、食やファッションなどにもテーマが広がる、パートナー企業とのスペシャルプログラムもあります。会期中はさまざまなアートイベントに加えて、夜まで盛り上がるナイトイベントも京都各所で開催される予定。

渡辺志桜里《堆肥国家》2024、撮影:小川尚寛 参考図版

会期:2024年11月1日(金)〜11月3日(日)
会場:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)ほか  
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