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INTERVIEW
2023.11.17
現実と虚構の交わる現代の風景と物語を訪ねて。│ ARToVILLA MARKET 体験レポート me and you 竹中万季
Photo / Masao Inoue
「FabCafe Kyoto」(京都市下京区)で2023年10月27日〜30日の4日間に渡り開催された『ARToVILLA MARKET Vol.2』。今年は山峰潤也さんがキュレーターを務め、「Paradoxical Landscape」をテーマに、デジタルやマテリアリティ、アニメーションやサブカルチャーなどを含んださまざまな現代の視覚環境を横断するアーティスト7名を選出。浦川大志さん、河野未彩さん、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEさん、藤倉麻子さん、藤田クレアさん、藤田紗衣さん、Meta Flowerさんが作品を発表しました。
今回は、DOORSの一人である「me and you」として活動している編集者の竹中万季さんの展示レポートをお届けします。最近街の風景に関するエッセイを執筆する機会があったという彼女が、それぞれの作家・作品から感じた、風景を見つめるための視点とは。
京都の古民家に立ち現れた異空間
京都に来るのは1年半ぶりだった。街は観光客で溢れ、まるでコロナ禍に入る前と同じような賑わいを見せている。昨日は駅に着くのが夜遅くになり、ホテルまでタクシーで向かう道すがら、運転手さんにGoogle Mapを見ながら「遅くまでやっているごはん屋さんはありますか?」と尋ねた。返ってきたのは、「コロナ禍で閉まった店も多いし、前よりも早い時間に閉める店が増えたかもしれない、だいぶ変わりましたよ」という言葉だった。
暮らす人も、街も、そこにある風景も変化し続けている。メディアやSNS、Google Mapなどを通じて構築された自分の頭のなかに存在していた京都の風景と、そこで暮らす人から聞く話から浮かび上がる風景とのズレや重なりについて考えていたら、目の前の風景が駅に到着したときとは少し変わって見えた。
今回訪れた『ARToVILLA MARKET Vol.2』は、「Paradoxical Landscape」をテーマに7人のアーティストの作品を展示している。展示のキュレーターである山峰潤也さんのインタビューにあった「現代の風景はメディアを経由して見た風景が自分の風景にもなっている」という言葉がずっと頭に残っていた。インターネット以降は特に、メディアやSNSのほか、アニメやドラマの作品など、風景に触れる手段の幅が広がり続けている。フィジカルな風景が本物で、バーチャルで見ている風景が偽物ということではなく、それらは絡み合っているし、人によってその捉え方もそれぞれだ。
個人的にも、自分が生まれ育った東京の三軒茶屋という街について書く機会があったため、風景について考えることは最近のテーマでもあった。その街に暮らしていたときは、あまり街に出歩かず、のめりこんでいたインターネットを通じて見る風景のほうがリアリティがあるように思えていたように思う。変わらないはずと思っていた景色が、街自体の変化だけでなく、街と自分の距離の変化や、自分自身の捉え方の変化によって、見え方が大きく変わった経験が自分にもある。決して一元的に捉えられない風景というものを、アーティストたちはどう捉え、表現しているのだろうか?
風景を見つめるための新しい目が見つかるのではないかという期待を持ちながら、展示会場である「FabCafe Kyoto」に入っていった。
FabCafe Kyotoは、1階は3Dプリンターなどでものづくりができるカフェ、2階と3階はオフィスとして普段は利用されている場所だ。数寄屋大工の経験もあるという建築家の佐野文彦さんによって8年前に古い民家をリノベーションしてつくられたそうで、伝統を残しながらも現代的な空間となっている。今回の展示のテーマに合わせて佐野さんが会場設計を行い、「虚実が入り混じる空間」を構築したそう。
会場に入ってまず驚いたのはメタリックな円柱。昔ながらの日本家屋を感じさせる木の空間を貫くように立っている円柱の違和感がおもしろく、まずはこの円柱の中に入ってみることにした。
日常にある、複数の風景、複数のわたしに、気づく。
円柱のなかは、鉄で格子がひかれているせいか平衡感覚がそこだけ変わり、まるで時空が異なるかのような空間が広がっている。そこに展示されていたのは、視覚ディレクターの河野未彩さんの作品だ。
静かに音をたてながら回転している《INFORMATION MIXER_001》は、透明なアクリルが空間に存在する光やさまざまな要素を取り込んで、回転するたびに違った色がきらめく。
河野未彩《INFORMATION MIXER_001》(2022)ステンレススチール、アクリル、モーター
また『まわる色_01』も同様に、右から見たときと左から見たときではまったく違った色が見える。どの作品も、少し動く度に違った表情を見せる作品で、一緒に見ている人と今この瞬間に同じ色を見ることはないのだと思うと不思議だなと感じた。
河野未彩《まわる色_01》(2021)レンチキュラー、アクリル、モーター
河野さんは、鑑賞者の視座によって見るものの感じ方が異なる現象をテーマに作品をつくっているそうだ。河野さんの作品を見ながら、同じ風景でもその日の光によって見え方は異なり、光が反射して生まれたその瞬間の風景があまりに美しくて忘れられなくなったときのことを思い出した。
円柱を抜けて奥に進むと、わたしの身長よりも大きな絵画作品が。
この作品はアーティストの浦川大志さんの作品で、《複数のパース(視点)》というタイトルにもあるように、複数の視点、立場によってバラバラに存在する尺度や距離感を一つの絵画空間のなかに落とし込むことを試みている作品だそうだ。浦川さんは、会社にいるとき、家族といるとき、一人でいるときにそれぞれ異なる自分があるように、自己は一つではなく状況によって使い分けていて、一つに統合することは不可能であるということを「複数の遠近法」と表現している。それがとても興味深かった。
浦川大志《複数のパース(視点)》(2022)アクリル、ジェッソ・綿布、パネル
わたし自身も、日々を過ごすなかであらゆる「わたし」が存在している。能動的に使い分けたいときもあれば、社会によって使い分けさせられているときもある。わたしとわたしが矛盾するときもある。作品を見ながら、そうした自己や他者のことを思い浮かべていた。
浦川大志《断片的な風景》(2023)アクリル、ジェッソ・綿布、パネル
《断片的な風景》は、よく見るキャンバスのサイズよりも縦に細長く、見覚えがあるサイズ感だなと思ったら、スマートフォンなどの画面比である16:9比率だそう。浦川さんはこのサイズのキャンバスで多くの作品を描いているそうだ。まだスマートフォンを見慣れていなかった時代にこの比率のキャンバスを見てもピンとこなかったと思うのに、現代を生きるわたしはあまりにもこの比率に見慣れている。「絵画」というかつてから存在しているものに取り込まれて初めて、そのことに気付かされた。
その横にあったのは、CGを用いた映像インスタレーション作品を多く手がけているという藤倉麻子さんの作品。フォトアクリルの展示とともに、映像作品を観ることができた。
九段下にある歴史的建造物「kudan house(九段ハウス)」で展示した際に制作されたという《The Great Nine と第三物置【検証】》という作品でも、九段と首都高中央環状線、東京外かく環状道路一帯に重なるような架空のランドスケープを描き出したように、現実の風景と架空の風景を重ねる手法が特徴的だ。
藤倉麻子《The Great Nineと第三物置【検証】》(2023)映像
藤倉さんは埼玉県の郊外で生まれ育ち、原風景は「巨大なインフラの構造図」だそうだ。また、大学でペルシア文化を学んだときに「庭園」を意味する“bagh(バーグ)”という概念を知ったことがきっかけで風景に興味を持ち、そこから、架空の土地での開削や建設をシミュレーションするつもりで3DCGソフトを使い始めたそうだ。建築用の3DCGソフトは、通常は現実空間のシミュレーションをつくるために使われるものだと思うけれど、藤倉さんが使うと、工業製品や人工物が楽園で幸せそうに新たな生活を過ごしているような、あらたな風景が立ち上がる。
庭への興味から生まれた《記録の庭(工事中)FEB 4,2023》という作品がとても好きで、見入ってしまった。建築家の大村高広さんと協働で制作したというこの作品では、庭に関する現地調査・文献調査の結果を3DCG空間上に制作された庭へフィードバックし、さらに実空間の庭も制作・観察していく。
左:藤倉麻子+大村高広《記録の庭の指示書1》(2023)アルミ複合板印刷+額装、右:藤倉麻子+大村高広《記録の庭(工事中)FEB 4,2023》(2023)映像
何に使うんだろう? と思うようなつるつるとしたオブジェに、工業製品、かと思えば南国のようなヤシの木や浜が広がっている。架空の庭と実空間の庭がそれぞれどうなっていくのか。オープンワールドのゲームを見ているみたいに、ずっと見ていたくなった。
ときたま街で見かける、何に使うのかわからない工業製品の形状に美しさを感じ、写真を撮ることがある。藤倉さんの作品を見ていると、あのときの感覚も思い出した。人々の生活を支えているはずだけれど見えなくていいとされてきたものたちが実はたくさん存在していることや、人工物は自然と対比して置かれがちだけれど、現在とは異なる共存の可能性のようなものを感じた。
作品の周縁にある記号、物語が立ち上がる。
2階へと階段を登っていき、振り返ると逆さまになった人物と目が合った。現代美術作家のGILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックスギロチンディ)さんの《DROP-02》という作品だ。
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE《DROP-02》(2023)墨、アクリル、アクリルプリント、和紙
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEさんは、都市に生きる青年を題材に作品をつくり続けている。大友克洋や松本大洋などの90年代の漫画をはじめ、さまざまな漫画から影響を受けてきたそうで、ストーリーよりも特に漫画の絵に夢中になっていたそうだ。
眼光の鋭さがとにかく印象的で、《DROP-02》で描かれている学ランのような服を着ているさかさまになった人物も、力強い目に引き寄せられる。対峙しなくてはいけない、と思わせるような強さを感じた。また、ストーリーがわからない分、どういうシーンなんだろう? という想像が膨らんでいく。通常は具体的な風景や言葉などを頼りに物語を想像することが多いけれど、この作品には、登場人物の背景に存在しているであろう風景を、鑑賞者がそれぞれに想像できるような余白がある。和紙にシルクスクリーンやミクストメディアという手法で描かれていて、上部には物語のヒントになりそうな線、そして左下にはジェルのようなものがついていたので、何か手がかりになるかな? とあれこれ考える時間も楽しかった。
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE、左より《JYU①②⓪》(2023)アクリル、和紙、《◼ (BEAST)》(2023)アクリル、墨、和紙、《EYE*2》(2023)アクリル、和紙
また、定期的に行っているという「獸(じゅう)」という展覧会とライブを組み合わせたプロジェクトもとても興味深く、2021年に開催した第0章を始まりに、第6章まで7年間にわたって展開されていくとのこと。1年に1章ずつ長い時間をかけて発表していくことで、プロジェクトが終了したときにすべての章を振り返れば、社会の変化も感じられそうだ。漫画雑誌は通常、毎週や毎月発売される。アートプロジェクトだからこその形態はもちろん、そうした通常の物語とは異なるスピードで物語がどう展開していくのかも楽しみだ。
1階から2階まで貫いている円柱のなかに入ってみる。
中にはもともとあった日本家屋らしい木の棚がそのまま残されていて、銀の格子とのギャップがおもしろい。普段、掛け軸や陶芸品などが置かれていそうなその場所に、さまざまな色合いでできたメタリックな岩石のような作品が並んでいる。ラッパーであり、彫刻家のMeta Flowerさんの作品だ。
Meta Flowerさんは爆発の衝撃波で彫刻するシリーズ作品をつくり続けている。粘土質でできた地面を爆薬で爆破させ、生まれた穴に発泡ウレタンを流し込み、膨らんで固まったら塗装する、という方法でつくられているそうだ。発泡ウレタンなので、ずっしりとした見かけによらず、すごく軽いのだそう。
そうした手法を知らなかったとしても、原爆のキノコ雲を想起させる形状に思わずどきっとする。このどきっとする感じは、爆発で生まれる形状を日常のなかで実際に目にする機会があまりないからかもしれない。爆薬はこれまで、ものを破壊したり人を傷つけたりすることでしか使われなかったけれど、そうではなく彫刻にした「行為の記録」として、タイトルをつけずにナンバリングをしているという。
Meta Flower《0.0000049》(2022)発泡ウレタンに塗装
Meta Flowerさんは団地で暮らしてきた頃に感じた格差社会や、ヒップホップが根付いた土地で育ったことで触れてきたアンダーグラウンドカルチャー、そして大学生のときに行ったパレスチナでの分離壁とそこでの人々の光景が記憶に残っているそうだ。そこから、「境界を隔てた表裏」を原風景として感じているという。
爆薬はいまだにものを破壊したり人を傷つけたりするために使われ続けていて、世界では戦争が今も続いている。決して遠い場所で起きていることではないのだ、ということを思う作品でもあるように感じた。今まさにパレスチナで起きている恐ろしい事態のことを思いながら、この作品を見つめていた。
2階の奥には、美術作家の藤田紗衣さんの作品が。くしゃっと皺が寄ったような作品は、やわらかそうに見えて、近寄ってみると固い陶器のような素材。そこには数列や記号などが並び、柄のような模様が浮かび上がっている。藤田さんのドローイングをアスキーアートに変換したイメージだそうだ。
藤田紗衣《DDD(warp)》(2022)セラミックにシルクスクリーン
アスキーアートは、文字や記号を並べたり組み合わせたりして絵に見立てたもののこと。藤田さんは幼い頃にインターネットに夢中になっていたなかでアスキーアートに出会い、制作活動のなかで文字や記号への興味が高まったときにあらためてその存在を思い出したそうで、アスキーアートのドローイング集もつくっているそうだ。この作品はセラミックにシルクスクリーンでアスキーアートが描かれている。わたしも昔からアスキーアートに見慣れていたはずだけれど、いつもはデスクトップで見ているからか言われるまで気づかず、同じものでも何で見るかで認識は大きく変わるのだということを感じた。
左:藤田紗衣《LPSI》(2022)紙にシルクスクリーン、発泡スチロール、右:藤田紗衣《BBWSS》(2022)紙にシルクスクリーン
シルクスクリーンという手法は、印刷物にインキを落として乗せていく印刷方法で、シルクの絹目のような大小の穴が空いた版をつくり、インキを通さない穴を乳剤で塞ぐことで、デザイン部分のみ印刷されるようになるのだそう。紙や布だけでなく、曲面も含め、さまざまなものに印刷をすることができる。
大学で版画、特にシルクスクリーンを学んだという藤田さん。キャンバスに筆で手を加えて完成に近づけていく絵画に対し、版画は最初にゴールが決まっているので、できあがるものが何で構成されているのかを分解して考えていくそうだ。シルクスクリーンの平面作品は、小さく描いたものを大きく引き伸ばして印刷する手法で制作しているそうで、印刷する前は目に見えていなかった構造を目の前に現している。とらえどころをなくすことによって見えていなかったものが見えてくるような、印刷によるイメージの変化を制作の軸としているとのことだった。
遠くから見ているときには気づかなかった絵柄に近寄ったら気づいたりして、藤田さんの作品はまさに見えていなかったものが見えてくるような体験だった。
2階の奥には和室があり、靴を脱いであがる。そこにはアーティストの藤田クレアさんの作品が静かに音をたてながら窓際に並んでいた。
藤田クレアさんは、動的な装置と石やガラス、貝殻、鳥の羽のような有機物を組み合わせたオブジェやインスタレーションを制作している。自身が生きる社会構造やプライベートな関係性において直面する問題や苦悩を反映しながら作品をつくっているそうで、その作品一つひとつからは他者との関係性や生命のようなものを感じた。
たとえば、《Invisible Soundscape》は貝殻に螺旋状についているたくさんの凸凹を装置が物理的になぞり、それを一度電気信号に変えて、物理的に鉄琴を叩いて音に変えている。軋むような静かな音からは、これまで別の場所で長い時間を過ごしていた貝が見てきた風景が浮かび上がるようだった。
藤田クレア《Invisible soundscape ~version 1 : (1 + √5)/2+x~》(2020)動力、ミクストメディア
《Invisible soundscape ~version 1 : (1 + √5)/2+x~》という作品でも、貝が使われている。これは巻貝の計測を通じて黄金比を可視化しようとした作品だそうだ。世界に存在しているさまざまな自然物が黄金比であることを思うと、わたしたちが何を美しいと思うかという感性はどこからきているのだろう、ということを考えていた。
藤田クレア《Interrelations ~version 1 : (1 + √5)/2+x~》(2020)ミクストメディア
背の高い《Never the same》という作品にはハンドルのようなものがついていて、金属の棒が反復運動をしている。その先には水が入ったガラスの器があり、その器は3本脚の椅子が生えた石の台座でしっかりと支えられている。
藤田クレア《Never the same》(2019)動力、ミクストメディア
工業製品のような土台や金属に対し、有機的な石や水のような自然物がなんだか儀式のような雰囲気で、その反復運動は生殖行為も思わせる。
藤田クレアさんの作品は、長いときを経て変化してきた地球の過程や、あるいは遠く先の未来の地球の風景を思うような体験をもたらしてくれた。機械仕掛けの反復動作は、じっくり見ているとだんだんと生物たちの呼吸のようにも思えてきて、人と人、あるいは人間以外の生物や無機物との関係性についても思うような時間だった。
インスタレーションが手に取れるかたちに
最上階では、大丸松坂屋百貨店がスタートしたアーティスト育成プロジェクト「Ladder Project」に関連した作品が並べられていた。このプロジェクトに参加した二人のアーティスト、スクリプカリウ落合安奈さんと玉山拓郎さんが、この時期に開催されていた『Art Collaboration Kyoto』で発表した新作のインスタレーションに関連した購入可能なエディション作品だそう。
スクリプカリウ落合安奈のエディション作品《ひかりのうつわ》シリーズ
玉山拓郎のエディション作品《Models(Blueprint)》(2023)ステンレス、アクリル、木
展示を見た帰り道に、ARToVILLAのウェブサイトでアーティスト一人ひとりのインタビューを読んでみた。それぞれの原風景についてのエピソードを読んでみると、その原風景が作品に反映されているように感じたし、風景をどう捉えているかも一人ひとり異なっていた。わたしたちが風景として捉えているものは思った以上に異なるし、隣を歩いている人とも違った景色を見ているのかもしれない。
アーティストによる多種多様な風景を見る目を通じて、自分自身が新しい目を手に入れられたような経験になった。新しい風景の捉え方が増えることは、凝り固まったものの見方をほぐしてくれるようで、そうした「こういう見方もあるのかもしれない」という目で一人ひとりが見つめた先に、現実社会においても、もっと息がしやすい風景が生まれるのではないだろうか。
DOORS
竹中万季
編集者/プロデューサー
1988年生まれ。編集者/プロデューサー。広告会社に勤めたのち、2015年CINRA入社。企業や行政とのメディアやイベントの立ち上げなどさまざまな案件に携わり、施策全体のプロデュース、企画、ディレクション、編集など幅広く担当。 2017年に同僚の野村由芽と共に、ひとりひとりの声を肯定する場所「自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ“She is”」を立ち上げ、ブランドリーダーを務める。 2021年4月にCINRAを退職し、同月、野村由芽と共に株式会社ミーアンドユー(me and you, inc.)を立ち上げ、代表取締役に就任。 個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていく。 主な仕事領域はプロデュース、ディレクション、企画、編集。社会に存在する課題を見据えながらも、個人の小さな声を大切にしながら、 それぞれの人の温度や思いを伝えていく仕事を心がけている。
volume 07
交差する風景
わたしたちは、今どんな風景を見ているでしょうか?
部屋のなか、近所の道、インターネット、映画やゲーム、旅先の風景……。
風景、とひとことでと言っても
わたしたちが見ている風景は、一人ひとり異なります。
そしてその風景には、自然と都市、アナログとデジタル、
過去と未来、現実と虚構……などの
一見異なる概念が混ざり、重なり合って存在しています。
この特集では、さまざまな人たちの視点を借りて、
わたしたちが見ている「風景」には
どんな多様さが含まれているのかを紐解いていきます。
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