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2025.02.05

最新テクノロジーを体感できる現代アート展から、横浜美術館リニューアルオープン記念展まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年2月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / Nao Sakamoto

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介する展示が森美術館で開催。長期休館を経て、いよいよ全館オープンを迎える横浜美術館では、リニューアルオープン記念展がスタート。

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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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恵比寿映像祭2025から、今津景ら注目のアーティストの個展まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年1月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(森美術館・東京)

キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》 2022年

ゲームエンジン、AI、仮想現実(VR、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介する展覧会。作品に見られるのは、デジタル空間上のさまざまなデータが素材となった新しい美学や、図像や画像をつくるイメージメイキングの手法、アバターやキャラクターなどによるジェンダー・人種という現実社会のアイデンティティからの解放、超現実的な風景の可視化といった特性の数々。本展では、人類とテクノロジーの関係を考察しながら、不確実な未来の歩き方を想像する機会が生み出されます

佐藤瞭太郎《ダミー・ライフ #11》 2022年 ※参考図版

会期:2025213日(木)〜68日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
公式サイトはこちら


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横浜美術館近くの巨大パブリックアートにも注目!

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今ではあり得ない大きさ 30年経ったみなとみらいのヨーヨーから分かること / 連載「街中アート探訪記」Vol.27

  • #大北栄人・塚田優 #連載

横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館・神奈川)

奈良美智 《春少女》 2012年 アクリル絵具、カンヴァス  227.0 x 182.0 cm 横浜美術館蔵 ©YoshitomoNara

3年にわたる大規模改修工事のさなか、2024年111日に一部事業を再開した横浜美術館。全館オープンを迎える202528日からは横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」を開催。展示では横浜をキーワードとしながら、「多様性」という観点のもと、絵画、写真、工芸、映像などの作品や資料を通して、新たな視点で横浜の意外な歴史を深堀りしますセザンヌ、ピカソ、マグリットや奈良美智など、近代美術の名作から現代美術の作品が楽しめるほか、子供のために作品を選び、見やすいよう工夫して展示する「子どもの目で見るコーナー」も設けられます。

ルネ・マグリット《王様の美術館》 1966年 油彩、カンヴァス 130.0 × 89.0 cm 横浜美術館蔵

会期:202528日(土)〜62日(月)
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
公式サイトはこちら


「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」(DIC川村記念美術館・千葉)

ピエール・オーギュスト・ルノワール《水浴する女》1891年 DIC川村記念美術館

「作品、建築、自然」の調和は、DIC川村記念美術館が美術館の理想の姿として掲げる三要素。美術館の建築は作品と自然を媒介し、訪れる人を迎える、長年愛されてきた箱です。30年以上におよぶ活動の中で多層の「出会い」の場を生み出してきた同館。本展では基本に立ち返り、美術館と対話をしながら、約180点のコレクション作品を館内のすべての展示室を用いて展示します。佐倉市の現美術館は2025331日を最終営業日とし、41日から休館する予定。“今の箱”で、最後となる展示です。

DIC川村記念美術館外観 撮影:高橋マナミ

会期:202528日(土)〜331日(月)
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
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「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー・茨城)

近藤亜樹《ザ・オーケストラ》2024年 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生

躍動感溢れる筆遣いと力強い色彩の絵画で知られる、近藤亜樹の個展。日常の事物や記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といったプライベートなモチーフから、生と死や超越的な自然の力といったテーマまでを自身の中に受け止め、それらを描くことで異なる者同士が「いま・ここ」につながり合う世界を展望してきた近藤。本展では、生命の祝福、他者とともに在ること、2022年以降ますます切実さを帯びる災害や戦禍にある人々への想い、葛藤とレジリエンスなど、「生きること」と「描くこと」が切り開く世界に迫ります。

《I Love You》2023年 OKETA COLLECTION蔵 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生

会期:2025215日(土)〜56日(火・振休)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
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「もうひとつの表示」(東京ミッドタウン・デザインハブ・東京)

- 空間に浮かぶ詩のイメージ

グラフィックデザインはこれまで、紙や壁などの視覚表現を支える支持体とともに発展してきました。現在ではデジタルサイネージやスマートフォンなど、オン・スクリーンの表現も一般的となり、VRARといった技術により、仮想環境でも展開可能に。近い将来には日常になっていくだろう物理的な制約を超えた空間での視覚体験に、グラフィックデザインはどのようにしてアプローチできるのか。本展では、現実/仮想を問わない、その視覚体験から見えてくる「もうひとつの表示」について、さまざまな角度からグラフィックデザインの可能性を探ります

- 単発の音(クラクション)を利用した立体音響空間による座標系の作成

会期:2025131日(金)〜223日(日)
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
住所:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー 5F
公式サイトはこちら


ARToVILLA MARKETでは野原邦彦さん作品を販売中!

ARToVILLA MARKETでは野原邦彦さん作品を販売中!

波に千鳥(柴)

¥550,000-

野原邦彦 「泡と花」(gallery UG Tennoz・東京)

A moment(黄)

人物や動物と球体等が接合した木彫作品を制作することで知られる野原邦彦。これまでキャッチーで親近感を覚えるモチーフをポップな色彩の木彫で表現した作家が、今回は平面作品の新作を発表。一貫して「心地良い瞬間」を具現化してきた表現の延長線上に平面作品という形を開花させ、鑑賞者に自身の経験や感情を重ね合わせる機会を与えます。「孤独な時間であり、ユートピアであり、心地よい時間の平面表現においての試行錯誤の段階に生まれた作品。重力や配置の置き換え、視覚の切り取りを試みました」と野原氏。

A moment(青)

会期:2025124日(金)〜215日(土)
会場:gallery UG Tennoz
住所:東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX II 2F
公式サイトはこちら


「CURATION⇄FAIR Tokyo」(kudan house ほか・東京)

CURATION⇄FAIR Toyo 2024「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」展示風景 撮影:苅部太郎

気鋭のキュレーターによる展覧会と、厳選されたギャラリー・美術商によるアートフェアの二部構成で開催し、美術品の価値をさまざまな角度から伝える新しい試みの企画。アートフェアでは、日本のアートマーケットを牽引する21のギャラリーが各フロアの部屋ごとに出展。ギャラリーの特色と会場が調和した展示空間で、作品を購入することができます。時代や国境を超えて愛され続ける古美術、価値観の大きな転換期に生み出された近代美術、そして現代のアーティストたちが表現する現代美術や工芸作品など、さまざまな背景を持つ逸品が揃います

CURATION⇄FAIR Toyo 2024「Art Kudan」展示風景 撮影:苅部太郎

会期:202521日(土)〜 224日(月・振休)
会場:kudan house ほか
住所:東京都千代田区九段北1-15-9 ほか
公式サイトはこちら

 

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