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2024.11.06
毛利悠子の大規模展覧会から、アートブックの祭典まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年11月編
Illustration / Nao Sakamoto
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は世界から今注目を浴びているアーティスト、毛利悠子の展覧会がスタート。東京都現代美術館では、第14回となるTOKYO ART BOOK FAIRが開催!
先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子―ピュシスについて」(アーティゾン美術館・東京)
毛利悠子《Piano Solo: Belle-Île》のためのスケッチ 2024
アーティゾン美術館が2020年の開館から毎年開催している、石橋財団コレクションとアーティストとの共演、「ジャム・セッション」展。第5回目となる本展は、世界から今注目を浴びているアーティスト、毛利悠子を迎えます。主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有する流れや変化する事象に形を与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開く試みを行っている毛利。国内初大規模展覧会となる本展では、新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションと並べることで、ここでしか体感できない「微細な音や動きで満たされた、静謐でいて有機的な空間」に来場者を誘います。
毛利悠子《I/O》2011年、「第14 回光州ビエンナーレ」展示風景、2023年、ホランガシナム・アート・ポリゴン 写真:glimworkers
会期:2024年11月2日(土)〜2025年2月9日(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
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東京都庭園美術館は文筆家・甲斐みのりさんもお気に入りの場所
「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」(東京都庭園美術館・東京)
青木野枝《微塵》2020年 gallery21yo-j (東京)展示風景 ©︎Noe Aoki, courtesy of ANOMALY (撮影:山本糾)
現代美術の第一線で活躍を続ける二人の作家、青木野枝と三嶋りつ惠が、同館の各所に作品を配置し、新たな視点でアール・デコの装飾空間を照らし出す企画。青木は鉄を用いて空間に線を描くような彫刻で表現の地平を切り拓き、三嶋は無色透明のガラス作品を通して場のエネルギーを掬い取り、光に変換してきました。二人が使用する“鉄”と“ガラス”という素材は、悠久の時を経て今日に伝えられた自然の恵みであると同時に、会場である旧朝香宮邸を彩る装飾として、シャンデリアやレリーフ、扉上のタンパン等にも多用されています。1930年代の装飾空間との対話を重ねることで実現する本展は、自然のもつエネルギーや循環を想起させ、見る者に驚きと気づきをもたらします。
三嶋りつ惠《VENERE》 2023年 UESHIMA MUSEUM COLLECTION (撮影:Francesco Barasciutti)
会期:2024年11月30日(土)〜2025年2月16日(日)
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
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「田村友一郎 ATM」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー・茨城)
《ATM》2024年
写真、映像、インスタレーションからパフォーマンスや舞台まで、多彩なメディアを横断し、ある土地の持つ、固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源をもとに、現実と虚構を交差させた多層的な物語を構築する現代アーティスト・田村友一郎。本展では、同館の英語表記「Art Tower Mito」の略称「ATM」から着想を得た新作《ATM》を発表します。来場者は、田村がこれまで書き綴った膨大なテキストを学習した生成AIが創作するショートストーリーによって、田村の作品世界へと導かれます。この述作という行為を生成AIに委ねることで、田村の過去作の断片を辿りながら、新たな物語を紡ぎ出すことを試みます。
《MJ》「六本木クロッシング2019」、森美術館、東京、インスタレーション、2019
会期:2024年11月2日(土)〜2025年1月26日(日)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
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ウェイド・ガイトン「THIRTEEN PAINTINGS」(エスパス ルイ・ヴィトン東京・東京)
Wade Guyton, Untitled (2022). © Wade Guyton. Courtesy Matthew Marks Gallery
フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにて展示する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環となる展覧会。今回取り上げるのは、アメリカ・インディアナ州出身のアーティスト、ウェイド・ガイトン。伝統的な絵画の形式と現代のデジタル技術による印刷技法を融合する、独自の制作技法で知られています。初の日本での展覧会となる本展では、2022年に制作された13点の大判絵画作品を紹介します。
Wade Guyton, Untitled (2022). © Wade Guyton. Courtesy Matthew Marks Gallery
会期:2024年10月31日(木)〜 2025年3月16日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
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「ポケモン×工芸展—美とわざの大発見—」(麻布台ヒルズ ギャラリー・東京)
今井完眞《フシギバナ》 2022年 個人蔵 ©今井完眞 撮影|斎城卓
ポケモンと工芸、正面切って出会わせたとしたらどんな「かがく反応」が起きるだろう。この問いに人間国宝から若手まで20名のアーティストが工芸の多種多様な素材と技法でポケモンに挑み、ひらめきと悶えと愉しみの中から生まれた作品群が公開されます。本展は2023年に国立工芸館(石川・金沢)にて開催され、その後、アメリカや日本各地での巡回を経て、ついに東京にやってきます。東京会場では数名の作家による追加作品を展示し、展示作品は約80点になる予定。ポケモンの姿かたちからしぐさ、気配までを呼び起こした作品から、日々を彩る器、着物や帯留など、粋な装いに誘い込まれたポケモンたちまで、かけ算パワーで増幅した美とわざを発見できます。
桂盛仁[上]《香合 ルギア》[下]《香合 ホウオウ》 2022年 個人蔵 ©桂盛仁 撮影|斎城卓
会期:(前期)2024年11月1日(金)〜12月25日(水)、(後期)2024年12月26日(木)〜 2025年2月2日(日)
※前期・後期にて展示替えあり
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
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「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」(東京都現代美術館・東京)
国内外から約300組の出版社、ギャラリー、アーティストが一堂に集まり、アートブックやZINEの魅力を来場者に向けて直接伝えるアートブックの祭典「TOKYO ART BOOK FAIR」が今年も開催。ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」第8弾では、ドイツを特集。日本でも高い人気を博すアーティストのステファン・マルクスやベルリンのアートブックフェア「MISS READ」、老舗出版社「Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König」、世界一美しい本を作ると謳われる「Steidl」など、ドイツのアート出版を牽引する多様なブックメイカーたちを紐解く展示を開催します。
Photo: Taku Matsuda
会期:2024年11月28日(木)〜12月1日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホール ほか
住所:東京都江東区三好4-1-1
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「SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024」(猿島ほか・神奈川)
2019年に横須賀の無人島・猿島でスタートした「Sense Island - 感覚の島 - 暗闇の美術島」。本年は猿島だけでなく、横須賀市街地にもエリアを大幅に拡大。「Sense Island」から「SENSE ISLAND/LAND」としてアップデートし、夜間だけではなく日中も楽しめるアートイベントとしてリニューアル開催します。江戸時代はペリー来航の地として、第二次世界大戦時には要所を守る重要な役割を果たす地として、そして現在はアメリカの文化が交差する地になっている横須賀。さまざまな歴史、文化、産業が積み重なる横須賀の「地層」に着目し、アートによる時間と大地の可視化と文脈化を試みます。キュンチョメ、齋藤精一、SIDE CORE、玉山拓郎らが参加予定。
JIKU #004_v2022 SARUSHIMA / 齋藤 精一 / Sense Island 2022
会期:2024年10月26日(土)〜12月15日(日)
会場:猿島、横須賀市街地(横須賀美術館、県立観音崎公園、三笠公園、ヴェルニー公園、横須賀市自然・人文博物館、若松マーケット 他)
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