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2026.01.07
ソル・ルウィットの日本初の公立美術館個展から、『攻殻機動隊』の展覧会まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2026年1月編
Illustration / NARI (LITTLE FUNNY FACE)
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は、コンセプチュアル・アートの先駆者、ソル・ルウィットの日本初の公立美術館個展が開幕。『攻殻機動隊』の壮大な歴史を横断的に体験できる展覧会も見逃せない。
先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!
「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」(東京都現代美術館・東京)

ソル・ルウィット《ウォール・ドローイング #283 青色の円、赤色の直線、黄色の直線の位置》初回展示1976 年 2017 年イェール大学美術館ウェストキャンパス・コレクションセンター(コネチカット州ウェストヘイブン)での展示 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.
コンセプチュアル・アートの先駆者で、20世紀後半の米国を代表するアーティスト、ソル・ルウィットの日本の公立美術館では初の個展。「アイデアは芸術を生み出す機械となる」という考えのもと、作品のアイデアやその生成プロセスを重視する試みによって、芸術のあり方を大きく転換させてきたルウィット。本展では、彼の指示に基づき他者の手で描かれる代表作「ウォール・ドローイング」や、立方体モジュール、アーティスト・ブックなどを展示。作者性や永続性といった芸術の前提を問い直し、アイデアを共有する「構造を開く思考」を、広範囲な作品群から検証する。

《ウォール・ドローイング #66》を制作中のソル・ルウィット (グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、1971 年) © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.
会期:2025年12月25日(木)〜2026年4月2日(木)
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
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「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」(パナソニック汐留美術館・東京)

横堀角次郎 《静物》 1922年 群馬県立近代美術館蔵
トマス・モアが提唱し、ウィリアム・モリスが「暮らしと芸術の総合」として夢想した「ユートピア」。この思想は20世紀日本にも波及し、美術、工芸、建築の幅広いジャンルで理想的な共同体が模索されてきた。本展は「美しさ」にまつわる芸術、装飾工芸、建築デザインにテーマを絞り、暮らしの中の「美しいユートピア」をみつめる。白樺派や民藝運動、郊外アトリエの構想、そしてデザイン・サーヴェイまで、約170点の資料と作品とともに当時の「来るべき世界」の試みをたどり、私たち自身のユートピアを思い描く方法を探る。

松本竣介 《立てる像下絵》 1942年、神奈川県立近代美術館蔵
「アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての⼈たち」(東京オペラシティ アートギャラリー・東京)

《サウンド・オブ・サイレンス》 2006 © Alfredo Jaar
チリ出身で、ニューヨークを拠点とするアルフレド・ジャーは、社会の不均衡や地政学的な出来事に対する真摯な調査に基づく作品で知られるアーティスト。写真、映像、建築的スケールの立体作品など多様なメディアにわたるその作品は、五感に訴えかけるインスタレーションを特徴としている。本展では、1970年代の初期作品から代表作、そして本展のために制作する新作までを一堂に展示。誰かを糾弾するのではなく、世界を検証する詩的なモデルを創造しているジャーの制作に通底する態度は、私たちに「よく見て、考える」ことを促してくれる。

《今は⽕だ》 1988 © Alfredo Jaar
会期:2026年1月21日(水)〜3月29日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
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「笹岡由梨子のパラダイス・ダンジョン」(滋賀県立美術館・滋賀)

笹岡由梨子《LOVERS》2024年 滋賀県立美術館蔵 Photo by Masanobu NISHINO
グランフロント大阪などで、一度見たら忘れられない作品を発表してきた笹岡由梨子の、美術館初個展。彼女の作品では、自身が演じた不気味でコミカルなキャラクターが、自作の歌に乗せて愛や家族を歌うのが特徴。そして映像作品から始まったキャラクターは、近年、立体物と映像を組み合わせた複雑な関係性へと変遷している。現代映像の中であえてノイズを残す手法は、映像における「絵画的なもの」へのアプローチともいえる。仄暗いダンジョンを巡り、笹岡の唯一無二の世界観と、その変遷の核心に足を踏み入れてみてはどうか。

笹岡由梨子《Pranaria》2021年 滋賀県立美術館蔵
会期:2026年1月17日(土)〜3月22日(日)
会場:滋賀県立美術館
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
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「向井山朋子 Act of Fire」(アーツ前橋・群馬)

《火を燃やす-1》2025 年 ©Tomoko Mukaiyama
音楽、映像、パフォーマンスを横断する越境的な表現者、向井山朋子の美術館初大規模個展。本展は、アーツ前橋の6つのギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型インスタレーションとして構成される。タイトルの“Act of Fire”は、作家の喪失・抵抗・怒りを燃焼させる儀礼的な空間を暗示すると同時に、ジェンダーや災害、侵略といった現実の問題を、〈火〉という根源的なメディアで照らし出す行為を示す。凝固した経血、燃え尽きるピアノなどの強烈なイメージ群が、〈私〉と〈世界〉の関係性を問う思索の旅へと誘ってくれる。

《KOKOKARA》2025 年 ©Tomoko Mukaiyama
会期:2026年1月24日(土)〜3月22日(日)
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
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「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」(TOKYO NODE・東京)

©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 製作委員会
1995年公開の劇場版を起点に30年間展開されてきたアニメシリーズの全作品を網羅し、その壮大な歴史を横断的に体験できる大規模展覧会。シリーズ全体の制作過程で生まれた膨大な原画、設定資料、絵コンテなど、未公開資料を含む1000点以上の貴重な資料を公開。インタラクティブな体験型展示や、本作品に影響を受けた現代アーティストやクリエイターとの共創によるインスタレーション展示など、本展ならではの体験を提供する。歴代監督陣の作品に加え、サイエンスSARUが手掛ける新作アニメ関連作品も展示予定。

©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 製作委員会
会期:2026年1月30日(金)〜4月5日(日)
会場:TOKYO NODE
住所:東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45F
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「ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展」(寺田倉庫G1ビル・東京)

サグラダ・ファミリア図面 サグラダ・ファミリア、バルセロナ/ジョアン・バッサゴダ 個人遺産/ガウディ財団/オリジナル
ガウディ没後100年とサグラダ・ファミリアのメインである「イエスの塔」完成という歴史的節目にあわせた、公式展覧会。今回、ネイキッドが世界で初めてガウディ財団と公式ライセンス契約を締結。オリジナル図面、手記、制作道具など、学術的に貴重な未公開コレクションを世界で初めて一堂に公開する。さらに、筆跡心理学的分析による最新研究を通じて、ガウディの内面と革新的思考に迫る。学術と体験が融合した、新たな切り口からガウディを読み解くことができる展覧会となり、これほど多くの財団所蔵資料が同時に展示されるのは世界初。

Area6:永遠の聖堂— サグラダ・ファミリア — ©NAKED
会期:2026年1月10日(土)〜3月15日(日)
会場:寺田倉庫G1ビル
住所:東京都品川区東品川2-6-4
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