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- 日本現代美術史を壮観できるコレクション展から、Perfumeの体験型展覧会まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年8月編
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2024.08.07
日本現代美術史を壮観できるコレクション展から、Perfumeの体験型展覧会まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年8月編
Illustration / Nao Sakamoto
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
8月はコレクション作品から日本現代美術史を眺められる「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」がスタート。結成25年目・Perfumeの体験型展覧会も!
先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!
「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(東京都現代美術館・東京)
奈良美智《Untitled》1999年、H.240×W.276cm © NARA Yoshitomo, courtesy of Yoshitomo Nara Foundation
高橋龍太郎コレクションとは、精神科医・高橋龍太郎が1990年代半ばより本格的に収集を始めた日本の現代美術コレクション。特に90年代以降の重要作家の初期作品・代表作を数多く保有し、その総数は現在までに3500点を超え、質・量ともに日本の現代美術においても重要な蓄積として知られています。本展は、東京都現代美術館がこれまで体現してきた美術史の流れにひとつの「私観」を導入する試み。草間彌生や合田佐和子らの作品から、東日本大震災以降に生まれた新たなコレクションまで、バブル崩壊後のいわゆる「失われた30 年」に対して批評精神あふれる作家115組の代表作とともに辿ります。日本現代美術史の入門編でもあり決定版ともいえる展覧会です。
森 靖《Jamboree - EP》2014年、H.385×W.406×D.365cm © Osamu Mori, in courtesy of PARCEL 撮影:表 恒匡
「田名網敬一 記憶の冒険」(国立新美術館・東京)
田名網敬一《彼岸の空間と此岸の空間》2017年 顔料インク、アクリル・シルクスクリーン、ガラスの粉末、ラメ、アクリル絵具/カンヴァス 217×300cm(3枚組) タグチ・アートコレクション蔵 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA
アートディレクター、グラフィックデザイナー、映像作家など、ジャンルを横断した類まれなる創作活動により、他の追随を許さない地位を築いてきた田名網敬一。近年、国際的にも急速に再評価が進んでいます。そんな田名網の世界初となる大規模回顧展が開催。田名網は幼少期に経験した戦争の記憶とその後に触れたアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映された、色彩鮮やかな作品で知られています。本展は当時の資料とともに田名網が手掛けた膨大な作品を紹介することで、これまで包括的に捉えられることがなかった、その60年以上におよぶ活動を「記憶」というテーマのもとに改めて紐解こうとするもの。初公開の最新作を含む膨大な作品数で構成されています。
田名網敬一《森の掟》2024年 顔料インク、アクリル・シルクスクリーン、ガラスの粉末、ラメ、アクリル絵具/カンヴァス 251x200cm ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA
「平子雄一 IDEAL LANDSCAPE」(奈義町現代美術館・岡山)
「Green Master 82」2023, 259.0×194.0cm Acrylic on canvas
植物と人間の共存について、そしてそこに浮かび上がる関係性への疑問をテーマに、ペインティングを中心としながら、ドローイングや彫刻、インスタレーション、サウンドパフォーマンスなど、多岐にわたる表現方法で作品を発表する平子雄一。自然の模倣ともいえる観葉植物や街路樹、公園にある植物など、人間の手によって移植され、コントロールされてきた植物を「自然である」と定義することに難しさや疑問を感じながら、現代社会における自然と人間の曖昧な境界線を感じさせる状況に対しての問題提起をし、考えていくきっかけを与えることを作品制作を通してメッセージとして投げかけ続けています。国際的に活躍する岡山出身の作家による、同県初の大規模な個展です。
平子作品 photo by Osamu Sakamoto
会期:2024年8月3日(土)~9月8日(月)
会場:奈義町現代美術館
住所:岡山県勝田郡奈義町豊沢441
公式サイトはこちら
清川あさみ展「ミスティック・ウィーヴ:神話を縫う」(鹿児島県霧島アートの森・鹿児島)
「Konton(chaos)」(2019年)
繊細な刺繍と写真を融合させることで、現実と神話、⽬に⾒えるものと⾒えないものの境界線上にある世界を表現してきた清川あさみ。本展では、清川がこれまでに探求してきたテーマである「人間の内面、自然との関係、そして私達が共有する神話と記憶」が、彼女の繊細で力強い技法によって紡がれます。「TOKYO MONSTER」「I:I」「あめつちのうた」「Serendipity」「Mythology」シリーズなどの代表作から、約6メートルの最新作「Our New World (Kirishima)」まで、幅広い作品を展示。アート愛好家はもちろん、写真、ファッション、そして自然と神話に関心のあるすべての方々に、見逃せない機会となりそうです。
「Serendipity(dawn)」(2023年)
企画展「琳派リフレイン-山本太郎と芸艸堂」(ZENBI -鍵善良房- KAGIZEN ART MUSEUM・京都)
江戸時代初期に京都の町衆から生まれたアートである琳派。その歴史の中では“風神雷神” をはじめ、俵屋宗達の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」、尾形光琳の「燕子花図屏風」といった同じモチーフをリフレインする(繰り返す)という手法が受け継がれてきました。美術家の山本太郎はその手法を用い独自の世界を創造。本展では、尾形光琳の「燕子花図屏風」に着想を得て、アンディ・ウォーホルの《Flowers》シリーズをオマージュした新シリーズ《Flowers Iris》と、近年の作品を中心に展覧します。また、日本唯一の手摺木版和装本出版社である芸艸堂の協力のもと、山本がこれまでもオマージュ作品を制作してきた神坂雪佳、中村芳中の作品も合わせて展示します。
山本太郎《Flowers Iris》紙本金地着色 2024年
「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」(TOKYO NODE GALLERY A/B/C・東京)
さまざまな先端技術や舞台演出で時代を先取りしてきた、Perfumeのライブステージ。本展は彼女たちの驚異的な「身体性」と、その舞台を支えるクリエイターたちの「テクノロジー」それぞれが研鑽されて生まれる“ 奇跡の同期(シンクロ) ”をテーマに、Perfumeが作り上げてきた表現への挑戦とステージの数々を再現する体験型展覧会です。総合監修には、Perfumeの振り付け・ライブ演出を手掛けるMIKIKO、インスタレーションには真鍋大度、クリエイティブコレクティブ・Rhizomatiksなど、“チーム・Perfume”に長年携わるメンバーが脇を固め、25年におよぶ取り組みをステージとその舞台裏の両面から紐解きます。 本展限定のオリジナルグッズも販売。
会期:2024年8月9日(金)〜10月14日(月・休)
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C
住所:東京都港区虎ノ門 2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F
公式サイトはこちら
Ryu Itadani 「Everyday Life “THERE“」(ポーラ ミュージアム アネックス・東京)
Ryu Itadani「Saint-Jean-de-Luz」 2024, Acrylic on Canvas,100x120x6.5cm
街の風景や植物など何気ない日常の一場面を、独特の輪郭線と色彩であでやかに切り取るRyu Itadaniの作品。みずみずしさや明るい陽光に満たされたItadaniが描く眺めは、鑑賞者に見慣れた風景やモノに対する新鮮なまなざしと、心躍るような感覚をもたらしてくれます。本展は「Everyday Life “HERE & THERE”」と題し、家具ブランドarflexと2会場での開催。ポーラ ミュージアム アネックスでは、Itadaniの作品の中でも「THERE」=遠くの景色や俯瞰した視点を中心にした作品約30点を展示。会場内にはアトリエに見立てたスペースを設け、開催初日から約10日間、arflexのアイコン的ソファ「MARENCO」へのペインティングを公開制作にて行います。
Ryu Itadani「Weinsbergspark, Berlin」2023, Acrylic on Canvas, 80x100x4.5cm
会期:2024年8月9日(金)〜9月23日(月・振休)
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3F
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